日本の特別地域 特別編集99 これでいいのか岡山
日本の特別地域
岡山県の本当の実力と魅力とは何か。岡山県に住 む人々ですら知らない、リアルな姿がここに明らかになる!
岡山県は、いつもなら兵庫県と広島県という「派手」な県に挟まれ、 少々地味な地位に甘んじている県である。が、昨今は違う。 長く国内で優位を保っていた東日本が、東日本大震災で「危ない」ことがバレてしまったことで、安全で便利な岡山県に注目が集まった。 おかげで、各地が苦戦するUターン、Iターンにおいて岡山人気が爆発。 多くの移住者が、岡山県へ殺到することになったのだ。 それだけではない。全国各地で進められている再開発の波は岡山県にも到達し、 特に岡山市では、これまでの街の構造を一変させるような大規模開発が進行中だ。 さらに勢いに乗り、今度は岡山県に首都機能の移転を、なんて突拍子もない話まで出てきた。 そう、岡山県は今、あらゆる意味でノリノリなのである。 が、そこは岡山県である。新型コロナウイルス感染症の流行下で、 知事から「来たことを後悔すればよい」なんて発言が飛び出したように、 元来岡山県は非常に閉鎖的。しかも、保守的でありながら新しもの好きという アンビバレントな性質で、当の岡山人からして「なんだかなあ」という気質である。 再開発にしても、未だにすったもんだが続き、せっかくやってきた移住者たちも、 岡山気質の壁にあたり困惑気味なのだ。こんな岡山県に首都機能なんぞやってきても、 本当にうまくいくのか? と疑問符がつく。 それと同時に、再開発にしても移住者にしても、はたまた首都機能移動にしても、 これらによって本来の岡山県の良さが失われ、魅力半減なんてことにならないだろうか。 本書は、発展と上昇気流の中、吉備国が大和に飲み込まれた1500年前以来の天下 獲りに乗り出す(?)岡山県の実情をみつめ、この勢いは本物なのか、本当にこのまま 突き進んでいいのか、躍進の末にどんな未来が待っているのかを探っていく。 そこでみえてくる明るい展望と問題点、そして岡山県の本当の実力と魅力とは何か。岡山県に住 む人々ですら知らない、リアルな姿がここに明らかになる!