京都「無幻堂」でお別れを 大切な人形の魂を送る処
ことのは文庫
もしも大切な人形と言葉を交わすことができるなら――。京都を舞台に贈る、魂が宿った人形の最期を見届ける物語。
人々の感情が色で見える特異な体質のせいで人生に嫌気が差していた明日菜(あすな)は、ある日理不尽なリストラに遭ってしまう。
途方に暮れ、行きついた先で目にしたのは、「従業員急募」という張り紙。
そこは、店主の柘植(つげ)と言葉を話す猫・詩(うた)が営む、魂が宿った人形の最期を見届ける「無幻堂」というお店。
ひょんなことから「無幻堂」で働くことになった明日菜は、人形たちの感情を読み取り、怒りや悲しみを汲み取っていく。
行き場を失った人形たちの最期に寄り添う、儚くもあたたかいハートフル・ドール・ストーリー。