妖しいご縁がありまして お狐さまと記憶の欠片
ことのは文庫
「決して手を離してはいけないよ」そう言われたのに――。失った祖母との記憶を巡り、女子高生と妖狐が金沢を舞台に贈る記憶の物語。
ある夏祭りの夜、祖母の言いつけを守らなかった八重子(やえこ)は、田舎町で過ごした数年間の記憶をなくしてしまう……。
時は過ぎ、祖母の死をきっかけに再び田舎町で暮らすこととなった八重子はそこに突然現れた男に失礼な言葉をかけられる。
「おまえ、面白いものをなくしているな」
二紫名(にしな)と名乗るこの男、どうやら八重子のなくした記憶について何か知っているようで──!?
記憶を取り戻すため、八重子は自らを神使の狐だと名乗る二紫名と祖母ととも過ごした田舎町を奔走する。